常勤医師募集中

0296-33-4161

  • 標準
  • 大

 

疾患情報

咳のメカニズム

咳嗽(がいそう)に関するガイドラインでは、『咳嗽反応(反射)は、気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応である』となっています。 咳は、風邪やウイルス、ほこりや花粉が原因で起こります。また、食べ物や飲み物が気管や気管支、肺に入らないようにするために起こります。食事の時に「変なところに入った」というのは、食べ物や飲み物が気管に入って咳が発生し、異物を吐き出します。 咳は気道(喉から肺までの道)の反射的収縮運動であり、空気中のホコリやウイルスが肺に入らないようにするための反応です。風邪で体内に侵入したウイルスに対しても、咳を出すことで、体外にウイルスを出そうとします。

 

 

咳がでる病気

咳が出る主な病気は以下の通りです。

・風邪

・気管支喘息

・副鼻腔炎(蓄膿症)

・後鼻漏

・肺炎

・肺がん

・慢性閉塞性肺疾患

・肺結核

逆流性食道炎、薬剤性等、多くの病気が考えられます。

 

 

風邪

風邪をひいたときにつらい症状の咳は、上気道(鼻・喉)がウイルスに感染することで発生します。ウイルスを体外に出す防御機能が働き、咳やくしゃみが発生します。 風邪の咳に対しては、うがいを行い、異物を取り除き、保湿に気を付けることが大切です。外出から帰った時には手洗い、うがいを心掛けましょう。

 

 

気管支喘息

成人の気管支喘息は、「気道の炎症と種々の程度の気流制限により特徴づけられ、発作性の咳、喘鳴(ぜんめい)および呼吸困難を示す病気」と定義されています。日本では、喘息に罹患している患者さんは年々増えており、過労やストレス、大気汚染、アレルゲンの増加が喘息の発症させる要因と考えられています。  喘息の人の気道は、健康な人に比べて狭くなっており、空気が通りにくくなっています。ほこりやストレスなど、わずかな刺激でも発作が起きてしまいます。喘息の治療は発作を起こさないためのコントロールが中心となってきます。 喘息の患者さんは、健康な人と同じような生活を送るために、症状を起こさないための治療と、発作が出てしまった時の治療の二つがあります。 症状を起こさないためには、吸入ステロイド薬を使って気道の炎症を抑えることが重要となってきます。ステロイドと聞くと、心配になる方もいると思いますが、副作用の心配はほとんどありません。吸入することにより、患部に直接薬剤が届き、少ない量で効果が期待できます。口腔カンジダ症、声がれ等の副作用が考えられますが、吸入後のうがいを行うことにより、予防できます。 もし、喘息の発作が起きたら、吸入β2刺激薬、テオフィリン薬、経口ステロイド薬、抗コリン薬が使用されます。 喘息を予防するためには、体調管理を行い、部屋の掃除をこまめに行います。喫煙は厳禁です。喘息発作は季節の変わり目にも多くみられます。体温調整やマスク着用等心掛けてください。

 

 

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎とは、副鼻腔の粘膜にウイルスや細菌が感染して起こる炎症です。炎症が起きると、鼻づまり・鼻水・頭痛・咳(せき)などの症状が現れます。副鼻腔と鼻腔はつながっており、鼻腔が感染して炎症を起こすと、副鼻腔まで炎症が及びます。副鼻腔炎の症状は、鼻水・鼻づまり・鼻腔内の悪臭、咳(せき)・頭痛・味覚の低下が起きます。 副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の2つがあります。 急性副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染で鼻の粘膜から、副鼻腔の粘膜まで炎症が広がることです。一方、慢性副鼻腔炎は、その症状を放置することで発症します。 副鼻腔で咳が出るのは、後鼻漏(こうびろう)という症状が関係しています。人は1日1~4リットルの鼻汁が作られています。喉の奥に流れ込んできた鼻汁が粘膜と絡み合い、咳(せき)が出るのです。咳(せき)は絡みついた鼻汁を出そうとしている症状となります。後鼻漏に関しては、後述いたします。 副鼻腔炎の治療は、抗生物質を使います。副鼻腔の中の菌を殺すことを目的とします。鼻腔の炎症が強い場合はステロイドを一時的に使用する場合もあります。症状が重い場合には手術も行われます。

 

 

後鼻漏(こうびろう)

後鼻漏(こうびろう)とは、喉の奥に鼻水が流れる症状を言います。異常がない場合も喉に流れ、飲み込んでいます。鼻水が喉に流れることは誰にでも起こりますが、通常は、鼻の穴から前方へ出ていきます。しかし、後鼻漏の場合は、鼻をかんでも鼻水が前方から出ることはなく、鼻水が喉に流れてきます。 後鼻漏の症状としては、口腔の不快感、口臭、味覚障害、胃の不快感、鼻水が流れてくることにより、仰向けに寝られず、不眠になる方もいらっしゃいます。

 

 

肺炎

肺炎の症状は、発熱、呼吸困難、咳やくしゃみ、たん、喉の痛み、全身倦怠感、悪寒などがあります。風邪の症状に似ていますが、肺炎の咳は風邪の時よりもかなり激しい咳が出ます。肺の炎症が強くなると、胸が強く痛むことがあります。風邪との違いは、風邪は喉にウイルスや細菌が増殖して発症する病気です。肺炎は、肺の奥で感染します。そのため、なかなか排出できず、高熱が続くことがあります。 高熱が出ると、多くのエネルギーと消費するため、安静にし、体を休めることが大切です。肺炎と思ったら、病院に早めに受診して、適切な治療を行ないましょう。高齢者の場合、高熱が出ない場合もありますので、「肺炎かも?」と思ったら、病院に受診しましょう。

 

 

肺がん

日本における男性の肺がんの死亡率は1位と高く、初期症状もなかなか現れません。自覚症状もほとんどありませんが、初期症状には「咳、痰、呼吸困難」がありますが、風邪の症状と似ているため気づかない場合も多く見られます。 1ヶ月以上続く乾いた咳、微熱、声が枯れる、体重減少、食欲低下、全身倦怠感、背中の痛み等が見られたら、病院を受診してください。

 

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、タバコの煙を主の原因とする肺の炎症疾患であり、男性に多く、喫煙者の15~20%が発症すると考えられています。 運動をしたわけでもないのに、息が切れたり、慢性の咳や痰が見られます。慢性閉塞性肺疾患は、治ることはありません。一度壊れてしまった肺は元に戻らず、これから禁煙したとしても症状は進行してしまいます。これ以上悪くさせない、今の症状を少しでも和らげるために治療を行います。 COPDの治療は禁煙し、気管支拡張薬が中心となります。咳や痰、呼吸困難などの症状が急激に悪くなることがあります。咳が出て痰が粘っこくなるなどの症状が現れたら、早めに病院に受診してください。

 

 

肺結核

肺結核は、結核菌が肺に感染して起こる病気です。肺に感染することが約93%ですが、残りの7%は、脳、骨やリンパ節、腸などにも感染します。かつては日本人の死亡理由の第一位だった肺結核ですが、現在は抗結核薬が開発されたため、薬を服用すれば治ります。しかし、今でも世界中で流行している病気です。結核が進行し重症になった場合は、死に至ることもありますので、注意が必要です。 2週間以上続く咳、血痰が出る場合は、胸部エックス線検査を受けましょう。痰、全身倦怠感、体重減少、寝汗が出ることもあります。結核が進行すると、肺の組織が壊され、息切れが起こります。咳や痰が出る場合は、他人に移る可能性が高くなります。結核菌は、発症した人の咳などによって空気中に漂います。結核かもと思ったら、病院に受診してください。

ホームに戻る

コンテンツ

外来診療担当医表

人間ドック

結城病院フォトギャラリー

スタッフブログ

採用サイト

お電話からもお気軽にお問い合わせください