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  1. 予防接種

疾患情報

予防接種

予防接種とは

私たちの体には、免疫力という力があります。これは、病原体などの異物(抗原)が侵入するとリンパ球などが適切に働いて異物(抗原)を排除する働きのことです。この働きを利用したのが予防接種(ワクチン)です。ワクチンは毒性を弱めた病原体(生ワクチンといいます)や無毒化した病原体の一部(不活化ワクチンといいます)を接種することにより、免疫ができて病気の予防をしたり、病気がかかったとしても軽くすむことができます。  また、予防接種には予防接種法に基づき接種時期(年齢)が定められ、各市町村において無料で接種できる「定期接種」と、それ以外の「任意接種」があります。  定期接種のワクチンでも定められた時期以外の接種では、任意接種(基本的に有料)となってしまいます。なお、予防接種法の改正により必要に応じて任意接種のワクチンが定期接種に変更になることがあります。

 

 

予防接種(定期)

主なワクチンは以下の通りです。

・B型肝炎(生後2か月~)

・Hib(ヒブ)(生後2ヶ月~)

・小児用肺炎球菌(生後2ヶ月~)

・4種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)生後3ヶ月~

・2種混合(ジフテリア・破傷風)

・BCG(生後5ヶ月~)

・MR(麻疹・風疹)(1歳~)

・水痘(水ぼうそう)(1歳~)

・日本脳炎(生後6ヶ月~)

・HPV(ヒトパピローマウイルス・中学1年生~女子のみ)

 

 

B型肝炎ワクチン(生後2ヶ月~ 定期接種)

B型肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。肝炎を発症すると、黄疸、食欲不振、全身倦怠感、腹部症状が見られます。主な感染経路は感染者と血液の接触、性行為や分娩時の母子感染によって感染します。非常に感染力が強く、HIVウイルスの50~100倍も強いことが分かっています。このウイルスは、年月を経て、慢性肝炎、肝硬変や肝臓癌などになることがあります。 2016(平成28)年4月以降に生まれたお子さんは、定期予防接種となります。全部で3回接種し、1歳になるまでに接種を完了させます。乳幼児期に3回の接種を行なった場合、ほぼ全ての人が免疫を獲得することができます。免疫は少なくても15年は持続すると言われております。

 

 

Hib(ヒブ)ワクチン(生後2か月~ 定期接種)

Hib(ヒブ=インフルエンザ菌b型)というインフルエンザ菌によるワクチンです。生後2ヶ月~接種することが出来ます。毎冬に流行するインフルエンザウイルスとは異なります。 Hib(ヒブ)は人から人に感染します。鼻や喉から入って、喉の奥や肺、髄膜に炎症をおこします。髄膜に炎症を起こすと細菌性髄膜炎となります。早期の診断が難しく、抗菌剤が効きにくく治療も困難です。また、髄膜炎の後遺症として、発達障害、知能障害、運動障害、聴力障害が残る場合があります。 Hib(ヒブ)は人から人に感染するため、保育所や幼稚園に通っている子供は2~3倍感染が多いと言われています。厚生労働省の調査によるとHib(ヒブ)ワクチン接種者は細菌性髄膜炎のなどの重症感染症を95%以上減らすことができます。生後2ヶ月からの接種が可能なので、B型肝炎、ロタウイルスワクチン、小児肺炎球菌との同時接種が可能です。早めに接種をしましょう。

 

 

小児用肺炎球菌(生後2ヶ月~ 定期接種)

肺炎球菌はHibとともに細菌による子どもの感染症の二大原因の一つです。肺炎球菌感染症はほとんどが5歳未満で発生します。肺炎球菌はまわりを莢膜(きょうまく)という固い殻におおわれた菌で、特に乳幼児は、この細菌に対する抵抗力がありません。 肺炎球菌は幼児の上気道に感染し、細菌性髄膜炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症などの感染症を引き起こします。肺炎球菌髄膜炎の死亡率や後遺症(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)はHib(ヒブ)による髄膜炎より高く、約21%が予後不良とされています。しかし、肺炎球菌ワクチン接種により重篤なリスクを95%以上減らすことができると言われています。 病気が重いだけでなく、早期診断が難しいうえに抗生剤が効かないこともあります。生後2ヶ月からの接種が可能なので、B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチン、Hib(ヒブ)ワクチンとの同時接種が可能です。早めに接種をしましょう。

 

 

4種混合(生後3ヶ月~定期接種 ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)
2種混合(生後3ヶ月~定期接種 ジフテリア・破傷風) 定期接種

・ジフテリアとは…  

ジフテリア菌が喉に感染し、喉の痛み、犬吠え様の咳、発熱、眼球や横隔膜などの麻痺が起きます。喉の炎症が強まると、極めて強い呼吸困難が生じます。ジフテリアに罹患した場合、乳幼児や40歳以上の方は重篤化しやすく、20%程度の方が死亡してしまうと言われています。

 

・百日咳とは…  

百日咳菌による感染症で1年を通じて発生します。咳やくしゃみなどの飛沫感染です。感染力が強く、集団感染を起こすこともあります。最初は鼻水、軽い咳などがみられますが、徐々に咳が強くなって激しい咳、発作性の咳が見られます。成人では比較的軽い症状で経過しますが、乳幼児の場合無呼吸発作など重篤化することがあり、死亡する例もあります。

 

・破傷風とは…

破傷風菌が傷口から入って感染をおこし、筋肉を痙攣させる症状が起きます。ひきつった表情、口や手足の痺れ、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、痺れや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡します。 予防接種が法定接種以前(1968年10月15日以前)の方はワクチン接種をしていない恐れがあります。また、免疫は10年間持続しますので、10年経過後は追加接種をお勧めします。

 

・ポリオ(急性灰白髄炎)とは…

ポリオウイルスによる四肢の急性弛緩性麻痺を症状とする疾患であり、特に感染しやすいのは、5歳未満の子どもです。日本では小児に多発したことから小児麻痺と呼ばれていました。 ポリオウイルスは非常に感染性の高い病気であり、人から人へ感染します。最も多いのは汚染水を通じた感染です。神経系を侵すこともあり、これによって身体の麻痺を引き起こす可能性があります。ポリオウイルスに対する薬はないため、防接種によって予防することが重要です。

 

4種混合接種時期

1期:生後3ヶ月から接種できます。3~8週間隔で3回、3回目の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目を接種します。 2期:11歳から、二種混合(DT)ワクチンを1回接種します。

 

 

BCG(結核)定期接種 (生後5ヶ月~ 定期接種)

結核は結核菌の空気感染によって感染します。結核は母親からの免疫がないため、生まれたばかりの赤ちゃんも結核に感染するリスクがあります。年齢が幼いほど抵抗力が弱いため、結核性髄膜炎や粟粒結核などで重症化することがあります。感染する前にBCGワクチンを接種することが重要です。 生後5ヶ月から7ヶ月での接種がおすすめです。現在は赤ちゃんの結核はたいへん少ないので、四種混合(DPT-IPV)ワクチンを3回受けた後の生後5ヶ月頃に接種するのが最適です。 厚生労働省によると、BCGの予防接種をすることで小児の結核の発症リスクを52~74%程度、重篤な髄膜炎(ずいまくえん)や全身性の結核に関しては64~78%程度減らすとされています。

 

 

MR(麻しん・風しん 混合)ワクチン(1歳~定期接種)

 

麻疹(麻しん・はしか)とは…

麻疹ウイルスは感染力がとても強く、感染した90%以上が発症します。感染経路としては飛沫感染のほか、接触感染や空気感染もあります。10日~12日の潜伏期間ののち、38度前後の発熱や咳などの症状がでます。咳、くしゃみ、鼻水などの上気道症状、目やに、結膜充血などの症状が現れます。発熱3~4日目から発疹が出て、口の中に「コプリック斑」と呼ばれる麻疹特有の白いブツブツがみられます。高熱は7~10日間くらい続きます。 麻疹は命に係わる合併症を引き起こすことも多い疾患で、間質性肺炎、脳症、亜急性硬化症全脳炎等があります。予防接種を受けずに麻疹に罹患した人は数千人に1人の割合で死亡することがあります。麻疹の発症となるウイルス対策は、現在の所予防接種しかありません。

 

風疹とは…

風疹ウイルスへの感染によって発症します。潜伏期間は2~3週間で、春先から初夏にかけて流行する傾向があります。感染力は弱いですが、飛沫感染、接触感染があります。 喉の腫れと痛み、38℃くらいの発熱といった風邪に似た症状とともに、目の充血、小さな発疹が全身に出ます。発疹に痒みはなく、これらの症状は、3~4日でおさまります。そのため、「3日はしか」と呼ばれることもあります。 風疹は大人が感染すると、症状が重篤化すると言われています。特に風疹に注意が必要なのは、妊娠中の女性です。妊娠中にお母さんが風疹にかかると、胎児は胎内感染し、「先天性風疹症候群」という障害がもたらされる可能性があります。先天性風疹症候群では、胎児の耳、眼、心臓の異常、低出生体重や精神運動発達遅滞などがおこります。 MR(麻しん・風しん)予防接種は、1歳になったら、なるべく早めに受けましょう。第2期は、小学校就学前の1年間です。

 

 

水痘(水ぼうそう)(1歳~ 定期接種)

水痘(水ぼうそう)は水痘・帯状疱疹ウイルスに感染して発症する急性の感染症です。感染力が極めて強く、2週間程度の潜伏期間を経て発症します。風疹やおたふくかぜよりも感染力が強く、水痘(水ぼうそう)に感染した人の咳やくしゃみを吸い込むことによる飛沫感染や接触感染および空気感染で感染します。まず上気道に感染し、全身の発疹、倦怠感、発熱等の症状が出ます。発疹は首から顔面に生じやすく、体、四肢にも出現し、痒みや痛みを伴います。2014年10月から水痘ワクチンが定期接種となったため、患者数は減少傾向にあります。 水痘(水ぼうそう)は大人が感染すると症状が重篤化すると言われています。特に注意が必要なのは妊娠中の女性です。妊娠中にお母さんが水痘(水ぼうそう)にかかると、胎児は胎内感染し、「先天性水痘症候群」という障害がもたらされる可能性があります。子宮内発達遅延、帯状疱疹に伴う皮膚瘢痕、四肢低形成、眼球異常などの障害が生じることもあります。 また、大人の水痘(水ぼうそう)は子供と共通した症状の他に水痘肺炎を引き起こす可能性があります。水痘肺炎は発疹出現後1週間以内に発熱・咳・多呼吸・呼吸困難などが急速に進行し、死亡することもあります。 水痘(水ぼうそう)の予防接種は、第1期は、1歳です。1歳になったら、できるだけ早めに接種しましょう。第2期は、1回目の3ヶ月後~1年後に受けることをすすめられています。

 

 

日本脳炎(3歳~定期接種)

日本脳炎は日本脳炎ウイルスの感染によって起こります。日本脳炎ウイルスは、主にコガタアカイエカなどの蚊を媒体として感染していきます。日本脳炎ウイルスに感染した豚を刺した蚊に刺されることで、日本脳炎ウイルスに感染します。日本脳炎ウイルスに感染したからといって発症するわけではなく、感染者のうち発症するのは約1,000人に1人といわれています。潜伏期間は6~16日間程度、38度以上の高熱、嘔吐、頭痛、光への過敏症、意識障害など中枢神経系障害の症状があります。日本脳炎の死亡率は20~40%であり、子どもと高齢者の死亡率が高くなっています。治癒しても45~70%の方に障害が残ると言われています。 日本脳炎の予防接種は生後6ヶ月から接種できますが、標準的には3歳からの接種となっています。1~4週間隔で2回、2回目の約1年後に3回目を接種します。第2期は、9~12歳で1回接種します。

 

 

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン(12歳~定期接種)

HPVワクチンとは女性の子宮頸癌や尖圭コンジローマなど、HPV疾患を予防するワクチンです。 子宮頸癌はウイルスへの感染によって形成される病気であり、主に性交渉により感染します。女性においてウイルスが排除されずに感染が続いた場合、子宮頸癌に進行する場合があります。 接種の推奨年齢は小学6年生~高校1年生相当の女子です。HPVワクチンは「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類あり、どちらかを3回接種しなければ十分な免疫が獲得できません。「サーバリックス」と「ガーダシル」は、それぞれ推奨される接種間隔が異なります。 HPVワクチン接種後にみられる主な症状には接種部位の痛みやはれ、赤みがあります。まれに呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアナフィラキシーや、足の力が入りにくいなどの症状や頭痛、嘔吐、意識の低下などの症状があり、積極的勧奨は差し控えとなっております。

 

 

予防接種(任意)

・ロタウイルス(生後2か月~)

・おたふくかぜ(1歳~)

・インフルエンザ(生後6ヶ月~)

・A型肝炎(1歳~)

 

 

ロタウイルスワクチン(生後2ヶ月~ 任意接種)

ロタウイルスは2月~5月に流行する胃腸炎を起こすウイルスです。感染力がとても強いので保育所、幼稚園などでもあっという間に流行します。ロタウイルスは人から人に感染し、空気感染、飛沫感染など様々な経路で感染します。 突然の嘔吐で発症し、水様性の下痢と発熱が起こることが多い病気です。乳幼児がほとんど経験すると言っていいほどの病気ですが、嘔吐や下痢によって脱水症状を起こし、重症化するといったことがあります。乳幼児が胃腸炎で入院する原因の50%以上はロタウイルスによるものだそうです。 ワクチンを接種することにより、病気を予防、あるいはかかったとしても症状を軽くし、脳症などの合併症を防ぐ効果があります。  ロタウイルスワクチンは経口の生ワクチンであり、接種後は4週間以上間隔をあけなければいけません。任意接種ですが、子どもは重症化しやすいため受けることがすすめられています。

 

 

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)(1歳~任意接種)

おたふくかぜはムンプスウイルスに感染して発症します。咳やくしゃみを吸い込むことによる飛沫感染や接触で感染します。2~3週間程度の潜伏期間を経て発症します。しかし、感染しても症状が現れない不顕性感染は30~35%とされています。 症状は、発熱と耳下腺の腫脹(はれ)が特徴です。耳下腺炎の腫脹は1~3日でピークとなり、その後3~7日かけて消退します。耳下腺炎の腫脹・圧痛、唾液腺の腫脹、嚥下痛、発熱を主症状として発症し、全身倦怠感、食欲低下、頭痛、筋肉痛等を伴うことがあります。 おたふくかぜは大人が感染すると症状が重篤化すると言われています。髄膜炎を引き起こし、発熱、頭痛や吐き気、耳鳴りやめまいが出ることもあります。また、注意しなければならない合併症は、男性は睾丸炎、女性は卵巣炎、また膵炎(すいえん)もあります。 睾丸炎は成人男性の10~30%の頻度で起こり、耳下腺の腫脹後4~10日くらいに多いとされています。睾丸の腫れと痛みが3~7日くらい続きます。睾丸の萎縮を起こすこともありますが、片側だけのことが大部分なので不妊症となることはほとんどありません。 卵巣炎は下腹部の痛みが特徴的な症状です。膵炎は、7~10日目激しい腹痛と嘔吐、発熱などの症状が現れますが、大体、1週間程度で軽快します。 おたふくかぜの予防接種は、1歳になったら、なるべく早めに受けることはすすめられています。第2期は、小学校就学前の1年間です。

 

 

インフルエンザ(生後6ヶ月~ 任意接種)

インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染症です。突然の38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振等が現れるのが特徴です。例年12月から流行が始まり、1~2月にピークを迎えます。例年のインフルエンザの感染者数は国内で推定約1000万人いると言われ、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡推計数は約1万人とされています。 インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3種類があり、全ての年齢層に対して感染し、世界中で繰り返し流行しています。日本では季節性インフルエンザは湿度と温度が低い冬季に毎年のように流行します。インフルエンザウイルスで流行するのは主にA型とB型です。A型は特に遺伝子変異が起こりやすく、変異して新たな感染源となって毎年流行を繰り返します。  インフルエンザが重症化しやすい方は、乳幼児、高齢者、妊娠している女性です。呼吸器、心臓などに慢性の病気を持っている方も重症化しやすく、最悪の場合は死に至ることもあります。子供は、意識障害や脳炎・脳症などを併発し、危篤状態に陥ることもあります。重症化を防ぐためにも、インフルエンザワクチンの予防接種は有用です。  インフルエンザの予防接種は、例年10月から開始されます。子供は年齢により2回行う必要があります。

 

 

A型肝炎(1歳~ 任意接種)

A型肝炎はA型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝炎のことです。感染経路は汚染された食物などを摂取することによる経口感染、性的接触による感染もあります。潜伏期間は1ヶ月程度であり、黄疸、発熱、全身倦怠感などで発症しますが、多くは数週間くらいの入院で後遺症もなく治ります。気がつかない程度に軽いこともありますが、劇症肝炎といって命に関わることもあります。劇症肝炎や細胆管炎性肝炎(さいたんかんえんせいかんえん)になると、治癒までに半年くらいかかる場合もあります。 現代では衛生状態が良くなったので自然感染の機会が激減し、60歳代以下の日本人のほとんどは免疫を持っていません。そのため免疫をつけるにはワクチンが有効です。 2013年3月から、任意接種ですが、子どもでもA型肝炎ワクチン接種が受けられるようになりました。1歳以上から接種可能です。

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