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スタッフブログ 2023.12.13
自然の神秘に触れる瞬間
いつもスタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。
私は子どもの頃から、夕暮れの空が好きでした。夕刻の薄明の空、マジックアワーと言われる日の入り直後の紫に染まった空が一番好きです。見ていると、何故だか切ないような、懐かしいような不思議な気持ちになります。マジックアワーという文字通り、魔法にでもかけられたような心持ちになります。人間が一番身近に自然の神秘に触れる瞬間だと思います。二度と同じ空には出会えないという、刹那の美に対する畏敬の念なのかもしれません。
日本語の表現に「なづむ」という言葉があります。「なづむ」とは草や雪、土などの障害物のために行く手を阻まれる=「停滞する・滞る」という意味を表し、そこから、物事が進まない様子や、スムーズにいかなくて思い悩む心情を指す意味でも使われるようになったようです。
この「なづむ」→「なずむ」という言葉は現代でも残っています。海援隊の名曲「贈る言葉」の歌い出しにも、こんな一節があります。
♪暮れなずむ町の 光と影の中 去り行くあなたに 贈る言葉…♪
「暮れなずむ」とは、日が暮れるのが進まない、つまり、暮れそうでなかなか暮れない、日が完全に沈みそうで沈まない状態を言い表した言葉です。
暮れ初む(くれそむ)…暮れ始める
→ 暮れ行く…どんどん暮れていく
→ 暮れなづむ→暮れそうでなかなか暮れない
→ 暮れ果つ(くれはつ)→完全に暮れた。
これらは、日が落ちていくまでを表す言葉です。日本人は古来より自然に対する感性が豊かだったのでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。