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スタッフブログ 2018.05.20
朝陽がこもれる万葉の道で...
いつも結城病院スタッフブログを読んでいただいて、ありがとうございます。
今日はあるお母さんスタッフの話
ゴールデンウイーク中に息子の部活の試合があるため、那須まで送迎をしました。
街道の木々は数を増し、朝露を含んだ緑色の葉は朝陽を浴びて、
キラキラと輝いていました。
窓を開けると車内に、清々しい空気が一気に入ってきました。
「万緑の中や吾子の歯生え初むる」
不意にこの俳句が頭をよぎりました。
中村草田男の句で私が中学生の時に覚えたものです。
青々と茂る草木の中で、小さな我が子の笑った口から生えはじめた歯を見つけた親が、
子どもの成長の喜びを感じている歌です。
授業で先生がやけに熱く語っていたので、印象深く脳裏に刻まれたのだと思います。
今にして思えば、この頃、先生には小さなお子さんが いらっしゃったのかも知れませんね。
当時の私には「子どもは可愛いってことでしょ」くらいにしか思わなかったのだが、
自分も親になって「人を育てる苦労」や「子の成長の喜び」を知り、親のありがたさを知ったのでした。
私よりも躰が大きくなった現在の我が子ですが、ふと思い出したこの句が心に染みたのでした。
私は運転しながら、後部座席にいる息子にこの句を詠んだのですが、
当の息子から返ってきたのは、スマートフォンを見ながら「へぇ~」と素っ気ない返事だったのです。
我が子にこの句の意味が分かる日が来るのは、いつの事になるのでしょうか?
どこの家でも同じかなぁ? 今週もお元気でお過ごしください。