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スタッフブログ 2021.05.19
朝起きられない! でもそれサボりじゃないかも??
結城病院スタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。
起立性調節障害ということばを耳にしたことがありますか?
人間の体内のしくみは交感神経と副交感神経という(ちょうど自動車でいえば各々アクセルとブレーキにあたる)2つの自律神経でバランスをとってうまくコントロールされています。
朝起きて活動を始めようとしているのに自律神経のアンバランスにより心臓や血管の状態が活動状態に入れないことで、脳への血液の流れがスムーズにいかないなどの現象が起こります。その結果としてなかなか起きられない、頭痛、立ちくらみ、車酔いなどの症状がみられやすくなり、主に午前中の調子が悪く午後に向かうにつれて回復傾向がみられる特徴があります。
この状態は自律神経系が不安定になりやすい小学校高学年で5%、中学生で10%のお子さんに、そしてわずかながら成人でもみられます。また、一般に季節の変わり目に症状が悪化しやすいといわれます。年代的な特徴から単なる夜ふかしなどの習慣やサボり癖などと誤解されることもあり、当の本人も辛い思いをする場面や長期欠席につながることもよくあります。
診断は(他の病気を鑑別した上で) (1)問診 (2)横になった状態から起立状態での血圧および脈拍変化(新起立試験という) を参考に行われます。起立性調節障害と診断された場合、(1)生活指導(水分摂取・日常動作等)、(2)薬剤による治療 が並行して行われます。
以前は認知度が低く「サボり」と誤解されがちだったこの病態も、最近では学校関係者の方々の理解もすすみ、自治体独自のガイドラインも作成されるなど支援体制が広がりつつあります。
ブログをご覧になり、思い当たる節があるという方はぜひ医療機関にてご相談ください。