スタッフブログ
スタッフブログ 2019.07.17
結城市の短期集中型通所介護予防サービス(生活楽々塾)について
当院では一般社団法人茨城県リハビリテーション専門職協会からの派遣要請を受け、結城市の短期集中型通所介護予防サービス(生活楽々塾)に協力しています。
これは結城市在住の要支援1,2および事業対象者に対し、ケアプランに基づいて約3か月の生活機能改善と介護予防を実践する教室です。
起き上がり、寝返り、立ち上がり、歩行、階段昇降など、少しでも体に負担が少なく安全に行えるような方法を学びあう教室ですが、この中で最も時間を割いているのが「入浴方法」です。
自立生活が徐々に困難になり、介護認定の申請をする高齢者の場合、初めに困難感を抱くのが「入浴」です。家のお風呂に一人で入れなくなったために、要介護認定を受け、デイサービスなどの利用を開始するパターンが多いとされています。つまりこれは少しでも長く一人で入浴できることが、介護予防につながることを意味しています。
千葉大学の研究(2018年)によると、要介護認定を受けていない高齢者13,786人を対象に、浴槽入浴の頻度、生活習慣、健康状態などを3年間追跡調査した結果、毎日の浴槽入浴習慣がある高齢者は、要介護認定が3割減であったことが分かりました。
入浴動作には、その他の日常生活動作で用いる動作(更衣動作、体を洗う運動的要素、またぐ動作、低床から立ち上がる動作など)が含まれており、その複合的な要素から、自立した入浴動作は要介護認定率を下げるのではないかと考えています。
安全な浴槽の入り方、浴槽内から立ち上がるコツ、楽な背中の洗い方、お風呂上りにシャツが背中に丸まらない方法、簡単なパンツの上げ下ろしなど、参加者のみなさんと楽しみながら学びあっています。
結城病院でのリハビリテーションが、こうして地域の人たちの一助となれるよう、今後も活動を展開していきたいと思います。
参考文献
Yagi A, Hayasaka S, Ojima T, Ssaki Y, Tsuji T, Miyaguni Y, Namiki T, and Kondo K,
Bathing Frequency and Onset of Functional Disability among Japanese Older Adults: A prespective 3-year Cohort Study from the JAGES. Journal of Epidemiology 2018(In press)