スタッフブログ
スタッフブログ 2019.04.28
小児骨折は摩訶不思議
いつもブログを見ていただきありがとうございます。
結城病院整形外科外来には骨折の患者もたくさんいらっしゃいます。
さて、皆さんは子供の骨折の不思議をご存知でしょうか。
私が特に感じる不思議を3つご紹介します。
子供の骨は大人に比べ、とても柔軟性があります。
そのため、大人ではポキッと折れる場合でも子供の場合は竹がしなるように骨折している場合があります。
若い木の枝を折った時の様子に似ていることから、このような骨折の状態を若木骨折といいます。
若木骨折の患者さんに対しては、骨のしなりと逆側に戻しギプスをまくことが多いです。
次に治癒力(骨癒合)も驚異的なスピードで回復してきます。
大人では3か月ほどかかる骨癒合も幼児では2~3週もすれば骨がくっついてきます。
以前、上腕の骨を手術予定のお子さんが、手術当日40度の高熱で手術が中止になったことがあり、予定の一週間後に手術することになったのですが、その時にはもうすでに骨がずれて骨癒合されていたので、ずれてついてしまった骨をもどすことが大変だったことがありました。それ程、骨を癒合させる力が優れているのです。
最後に、子どもの骨折で一番不思議と思うこと。
それは、骨の変形を治す力が強いことです。
わかりやすくいうと、骨がずれてついてしまってもまっすぐにしようとする力が子供の骨にはある、ということです。さらに不思議なのは骨折した部位や、年齢によっても骨の変形を元通りにしようとする働きに違いがでてきます。
数年前、小学校低学年の女の子が右の大腿骨骨折で入院してきました。治療後少しずれた状態で退院しましたが、一年後のレントゲンではまっすぐな骨になっていました。
私も親になり親目線でみると、なるべく手術という治療は避けたいのが正直な気持ちです。
でも、専門的に見て将来的に後遺症が残りそうな場合は、やむを得ず手術という治療を選択しなければなりません。子どもの骨の特性やあらゆることを把握した上で、総合的に治療方針を決定していかなければならない。そんな難しさもありますが、治った子達が「お医者さんになりたい!看護婦さんになりたい」といってくれることもあり、とてもやりがいを感じます。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。