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スタッフブログ 2025.07.16
ダーティ・ハリーの名セリフ
いつもスタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。
洋画を見るときは、吹き替え版ではなく字幕版を選ぶことにしている。これは元の俳優の声や雰囲気が、吹替を担当する声優のイメージになってしまうような気がして惜しいと思うからだ。だがいつも見てて感心するのは翻訳者のセンスである。受験英語のレベルでは文字どおり「話に」ならないが、後になってどんな単語を何と訳したか知るたびに、自分にはなかなかできない技だとつくづく思う。
「ダーティ・ハリー」シリーズはクリント・イーストウッドが5作続けたヒット作だが、手っ取り早く銃で片を付けてしまう小気味よさが好きで、私は全作見てきた。彼の役柄そのものだと思うのが「泣けるぜ」というハリー刑事のつぶやきである。この「泣けるぜ」が実際に英語で何と言っているのか、私の粗雑な耳では判別できなかったが、”marvelous”(素晴らしい)だったり“Swell…”(胸いっぱいになる)だったりするらしい。これらの単語を「泣けるぜ」と大学受験の解答に書いたらバツに決まってるが、敢えて「泣けるぜ」と訳した翻訳者のセンスこそ「マーベラス」だと思う。
もう一つ「ダーティ・ハリー4」の有名なキメ台詞、”Go ahead. Make my day.”もそうである。劇中では喫茶店のウエイトレスに銃を突きつけて人質にした犯人へ、自分の銃を向けながら言い放ったセリフだ。作家の村上春樹(翻訳家でもある)も何かのエッセーに、日本語で何と訳すべきか困惑した旨を書いていた。make my day・・・私の日を作る??それじゃ意味を成さない。一般的には「いい日にする」というニュアンスがあるそうで、字幕では「やれよ。望むところだぜ」とか「撃てよ。相手になってやる」と意訳していた。これならキャラクターが引き立つ名訳だと思う。
余談ですがこの「ダーティ・ハリー」シリーズ、クリント・イーストウッドが毎回ハリー・キャラハン刑事役なのに対して、毎回違う役で出演している俳優がいるのをご存じですか?
アルバート・ポップウェルという黒人の俳優で
第1作目:銀行強盗(キャラハン刑事により銃撃され負傷)
第2作目:娼婦からカネを搾り取るポン引き(悪徳警官により射殺)
第3作目:黒人過激派組織のリーダー(警察により誤認逮捕)
第4作目:刑事で、ハリーの親友(逆恨み犯人により刺殺)
毎回ひどい目にあう役柄ですが、芸達者な人らしく、毎回それっぽい雰囲気を醸し出してくれてます。第5作目も出たかったようですが、スケジュールのバッティングで出られなかったのだとか。
う~ん残念!泣けるぜ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。