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スタッフブログ 2020.06.16
隠れ腱板断裂
いつも結城病院スタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。
みなさんは、「腱板断裂」という言葉を聞いた事がありますか?
「腱板」というのは肩甲骨と上腕骨をつなぐ板状の腱で、肩関節の土台となり腕を動かすうえで大切な4つの腱の事です。
「腱板断裂」ではその腱板が損傷、断裂することによってさまざまな症状が出現します。具体的には動かすと肩が痛い、寝ていても痛い、肩が上がらなくなるなど多様です。
原因としては転んだり、重いものを持ったなど明らかな原因がある外傷性のものと、老化や使い過ぎなどにより徐々に腱板がすり減っていくなど原因不明のものがあります。
ここで注意したいのが俗に言う「五十肩」と症状が似ている事です。特に転んだなどの原因がなく、自然に腱板が断裂している方がご自分で「五十肩」と判断し、その内良くなるだろうと放置する可能性があります。今まで私も、完全に肩が固まってしまい動かなくなってから受診され、治療が手遅れになったケースを何人も経験しました。
ですから、この自己判断によって治療開始が遅れてしまう「隠れ腱板断裂」に注意していただきたいのです。
痛みを感じたり肩が上がらなくなったら早期受診、早期治療が大原則です。腱板断裂はMRI、超音波検査などで診断できます。約7割の方は保存療法(注射・運動療法)で回復し、残り3割の方は手術療法(鏡視下等)となります。いずれにしても早めの診断が大切です。
「五十肩になっちゃったよ。年だからしょうがない。我慢していればそのうち良くなる。」という事で済まない「隠れ腱板断裂」を覚えておいてください!
またそのような方が周りにいらっしゃいましたら、整形外科の受診を勧めて下さい。
当院では毎月第4土曜日に肩関節専門の外来診察を行っております。