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  1. 暮らしの中のあいさつというケア

スタッフブログ

スタッフブログ 2025.08.06
暮らしの中のあいさつというケア

 いつもスタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

 毎日暑い日が続いておりますが、このブログをお読みいただいている皆さま、いかがお過ごしでしょうか。夏は、お盆に普段お会いできない親族の方と再会できたり、のちに心に残る思い出となるような体験ができる、貴重な夏休みの期間でもありますね。そんな夏のあいさつには、「こんにちは!暑い日が続きますが、お元気ですか?」、「夏バテしないように、夏の美味しいものたくさん食べて気を付けましょうね」などがありますが、私はこのような、季節に応じたあいさつを交わすのが好きです。それは、こうした声かけの中に、お互いが日々の中で共通して体験している「暑さ」へのいたわり、つまり相手への温かな関心が込められていると感じるからです。

 

 ここで、表題にある「ケア」という言葉について、少し触れてみたいと思います。いつも私は、学生時代に学んだ医療倫理という科目の中で、普段は哲学をご教授されている加藤直克先生のケアという言葉の語源の話を思い出します。加藤先生はcareの語源について以下のように紹介しています。「ケア(care)」は、古英語の caru または cearu に由来すると言われています。これらは「心配」「悲しみ」などを意味し、もともとは「談話」「呼び声」「叫び」といった、“誰かに向けて心を注ぐ行為”に関連する言葉だったようです。 時代の流れの中でさまざまに意味が変化し、15世紀ごろには「世話・保護」、16世紀には「心配事」といった意味で使われるようになりました。また、動詞としての care は古英語 carian に由来し、「心配する」ことを基本としながら、13世紀ごろには「気にかける」、14世紀ごろには「好む」という意味でも使われるようになったそうです。 現在でも使われる “careful” という単語には、「気をつける」「注意深い」といった意味がありますね。これも、相手や自分を大切に思い、心を向けるという意味が込められていると考えられます。

 

 さて本題に戻りますが―― 誰もがうだるような暑さの中にあっても、「今日も暑いですね、お変わりないですか?」、「何か冷たい美味しいものでも食べたいですね」といった、ちょっとしたねぎらいや気づかいの言葉を交わすこと。それは、お互いを気にかけ合う“あいさつというケア”だと、私は感じています。こうした小さな声のかけ合いが、暑い夏をほんの少しでも気持ちよく乗り越える力になると私は信じています。

 

 どうぞ皆さんも、お身体にお気をつけて、今年の暑い夏も、元気にお過ごしいただけますように。
 最後に一言、 Take care of yourself. そして、ご紹介した加藤直克先生のご著書も紹介させていただきます。

〈引用参考文献〉
平山正美・朝倉輝一編:ケアの生命倫理,第6章 ケアとは何か クーラ寓話を手がかりとして 加藤直克,pp.107-109,日本評論社,第一版第一刷,2004.

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