常勤医師募集中

0296-33-4161

  • 標準
  • 大

 

  1. 認知症の研究について

スタッフブログ

スタッフブログ 2019.02.22
認知症の研究について

いつも結城病院スタッフ・ブログをお読みいただきありがとうございます。

 

認知症を予防する、あるいは進行を遅らせるための研究は、あらゆる見地から報告がなされています。その中でも「役割のある生活」が認知症の予防に対して注目を集めています。

有名なものでは「100歳の美しい脳」(David Snowdon著2004年)で紹介されたnun-studyという研究報告です。

アメリカの修道女(Nun)678名(75歳~102歳)を対象に、毎年認知テストを行い、その経過を調べました。さらに被検者が死亡後、解剖して全員の脳の状態を記録しました。

すると、脳が委縮しアルツハイマー型認知症の状態であるのに、まったく認知症の症状が出なかった人が8%いたそうです。

8%のひとたちには、ある共通点がありました。

そのうちのひとり、シスター・メアリーは85歳まで数学教師を務め、その後もボランティア活動を熱心に行い、101歳で亡くなりました、彼女は晩年まで認知機能は正常でしたが、脳は870gまで委縮していました。彼女のように、8%の人たちの共通点は、毎日規則的で役割を持った生活をしており、そのような生活が病変に打ち勝つことを示唆していたと報告されています。

ひとつの研究報告ですので、確定的なことは言えませんが、当院のリハビリテーションでも、役割を明確に持てることで生活感を取り戻し、元気になられる患者さまも少なくありません。

「作業回想法」では高齢者が昔の道具の使い方を若者に「教える」という役割を持つ機会を創出したり、認知症デイケア利用者が自動車販売店に出向いて、洗車などをして働く試みや、サービス付き高齢者住宅内に駄菓子屋を開店し、利用者が地域の子どもたちと交流して「あげる」取り組みなど、役割のある生活が注目されてきていると思います。

誰かのために、何かをしてあげることができるという可能性を探し、シスター・メアリーのような人生を手助けしたいと思いました。

 

< 一覧に戻る

コンテンツ

外来診療担当医表

人間ドック

結城病院フォトギャラリー

スタッフブログ

採用サイト

お電話からもお気軽にお問い合わせください