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スタッフブログ 2025.09.10
自宅で極上「ねっとり焼き芋」を作りましょう!
いつもスタッフブログをお読みいただき、ありがとうございます。
秋の訪れとともに、スーパーには色とりどりのさつまいもが並び始めました。今回は最新の食品科学研究で明らかになった、自宅のオーブンで作る究極の焼き芋レシピをご紹介します。
なぜ低温でじっくりが鉄則なのか?
さつまいもに含まれる「β-アミラーゼ」という酵素が、でんぷんを麦芽糖(マルトース)に分解して甘みを生み出します。この酵素が最も活発に働くのが65℃。研究によると、この温度帯をキープすることで、マルトース含量は最大200倍、総糖度は2倍以上に増加することが実証されています。
オーブンを160℃に設定すると、芋の内部が65-75℃の「甘みを作る黄金温度帯」に60分以上とどまります。一方、電子レンジは急速に高温になり、酵素が数分で失活してしまうため、同じ芋でも甘さが全く違うのです。
科学が証明した完璧レシピ
準備
紅はるか、シルクスイート、安納芋などのねっとり系品種を選びます。洗って水気を拭き、アルミホイルを敷いた天板に並べます。包む必要はありません。
じっくり糖化(90-120分)
160℃のオーブンで、直径5cmなら90分、7cmなら120分が目安。物理学的に熱浸透時間は直径の二乗に比例するため、太さに応じた調整が重要です。30-40分ごとに上下をひっくり返し、均一に火を通します。
仕上げの香ばしさ(15分)
最後に200℃で15分。表面にメイラード反応による香ばしさが加わり、蜜が滲み出てきたら完成です。
余熱で完璧に(10分)
ドアを開けて余熱を逃がし、10分放置。この「休ませる時間」で水分が均等に行き渡り、ねっとり感が最大化します。
品種選びのポイント
紅はるかは適切な調理で糖度50-60 Brixに達する最高級品種。安納芋は焼くと甘い蜜が滲み出るのが特徴。シルクスイートは絹のような滑らかな食感が魅力です。いずれも収穫後1-2ヶ月貯蔵されたものが最も甘くなります。
保存とアレンジ
焼き芋は冷蔵で3-4日、冷凍なら1ヶ月保存可能。冷やすとレジスタントスターチが増え、血糖値の急上昇を抑える効果も。再加熱は175℃のオーブンで15-20分が最適です。
週末の午後、科学の力を借りて作る焼き芋。部屋中に広がる甘い香りは、β-アミラーゼがしっかり仕事をした証拠です。「急がば回れ」の精神で、今年の秋は極上のねっとり焼き芋を楽しんでください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。