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  1. 痛みについて(続編)

スタッフブログ

スタッフブログ 2019.12.03
痛みについて(続編)

いつも結城病院ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

前回のブログも「痛み」について書かせていただきましたが、続編として最近のトピックスについてふれさせていただきたいと思います。

 「痛み」は怪我や身体の異常を知らせる反応として非常に重要である反面、多くの人を悩ませる不快な症状でもあります。この症状が日常生活に影響を及ぼし、生活の質を落とす原因となっています。国内における過去の調査においても総人口の概ね15~20%が慢性疼痛を有しているとも報告されており、医療費負担も月額5,000~6,000円程度かかっているのではないかと言われています。海外に目を向けてみると米国における調査では、従業員の健康に関連する企業の総コストのうち、医療費や薬剤費の直接費用は約20%程度で約75%は間接費用(生産性の損失)が占めることが示唆されています。このような社会経済的な影響分析の結果、慢性疼痛における労働損失は日本国内で約2兆円前後/年とも推定されています。「痛み」の解決は、社会的な課題となっており今後、労働人口減少の加速する日本において「痛み」に対処し、損失を防ぐことが求められています。

では、上記のような慢性疼痛(特に運動器慢性疼痛)の治療は何が有効なのでしょうか?近年、運動療法の重要性が増しており、2018年に作成された慢性疼痛治療ガイドラインにおいてもエビデンスレベルA(効果の推定値に強い確信がある)、推奨度1(実施することを強く推奨する)と評価されています。また、医療費用を考慮しても運動療法と患者教育を行った場合が優れた費用対効果である傾向が示されています。現在では慢性疼痛治療の第一選択的治療法に位置付けられると考えられています。

ここで重要となってくるのが「患者教育」という言葉です。なんだか偉そうな言葉ですが上から目線で「教育するぞ!」などということではなく「セルフケア」と「アドヒアランス」という要素を維持・強化しましょうということです。内容としては簡単なことで「セルフケア」というのは、例えば、患者さん自身でのケアや自宅での自主練習のことです。「アドヒアランス」は、患者さん自身が積極的・主体的に運動療法の内容や意味を理解し取り組むことです。聞いてみると簡単なことなのですが、この簡単なことを実行するのが非常に難しいようです。多くの研究でも患者さん自身が主体的に運動療法へ参加する意欲が乏しい場合には効果が見込めないということが明らかになっているので、私たちはいかにこの2つを維持・強化することができるかを意識して取り組んでおります。大切なことは、痛みがあるから運動をしないということではなく痛みの状態を客観的に理解し、かつ主体的に運動に取り組むということです。

当院でも、通院するための十分な時間や運動療法を行うサポートが無いという患者さんは多いため、自宅での自主練習を中心に個別の運動メニューを作成し、説明・指導しております。

※リハビリテーションは、医師の指示に基づき実施しております。リハビリテーションの対象となる疾患には条件がございますので、病院にご相談ください。

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